東京大学戸田橋課外活動施設 東京大学漕艇部の合宿所の建て替え計画である。八尾が大学時代漕艇部に所属していた関係で、OB会(淡青会)より依頼され初期段階より検討に加わり、最終的に既存棟改修工事については基本設計及び、実施設計、監理の監修、そしてOBの寄付金により新築される記念艇庫の実施設計、監理を行った。 既存棟は築40年の鉄筋コンクリート造の建物を、耐震改修を行いながら内部空間を大幅に変更し、現代の漕艇部にふさわしい明るく開かれた施設に改善。外装も明るいシルバーの金属板で一新し、木製デッキの外構と植栽を室内の開放的なロビーと連続させ、スポーツ交流施設として再生した。 その傍らに新築された記念艇庫は、日本あるいは世界でも他に類を見ない10段積みの艇庫であり、艇搬送システムを操作することにより艇の上げ下ろしができるものとなっている。この艇庫とオリンピックボートコースを共に展望できるように2階にガラス張りのOBラウンジを設けた。シンプルな施設内容であるが、デザイン的には軽快な構造と、外装の表現によって、新しい時代の艇庫のありかたを追求している。ランダムな開口の開く外壁は、きらめく川 のイメージをもとにデザインし、その上に湾曲した屋根がボートのように浮かんで見えることを意図している。自然のもつ多様性を建物に映り込ませることで、シンプルな建物を表情豊かな建物とすることができた。開口に用いられたガラスは、シルバーのパターンが印刷されたフィルムを入れたあわせガラスで、結果として開口部と外壁が水面のきらめきのようになめらかな連続性をもち、より豊かな表情をもつこととなった。構造についても鉄骨の柱梁を固めるブレースを、競技艇のオールを支える金具の形を模したデザインとし、伝統ある漕艇部の新しい時代をすがすがしく表現して選手にも親しまれる施設となるよう考慮した。 旧棟と新棟は2階にてブリッジをかけて、現役選手の多目的ロビーとOB用ラウンジを結び、全体が一体の交流施設として機能することとなった。
■ 2004年 東京大学総長 感謝状授与
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■設計・監理: ・既存艇庫改修: 東京大学施設部、 (株)類設計室 (株)THT アーキテクツ (基本設計・現場監理) 八尾廣(角倉剛、大野高志と共同) ・浅野記念艇庫: 東京大学施設部、 (株)THT アーキテクツ 八尾廣(角倉剛、大野高志と共同)
■施工: 建築 日新工業株式会社 設備 積田冷熱工事株式会社 (株)アイテックムラモト ■設計期間:2002年8月〜2003年2月 施工期間:2003年3月〜2003年12月