調布の二世帯住宅 60代の親世帯ご夫婦と、お子様が3人いらっしゃる30代のご夫婦、合計7人の大家族が共に暮らすための家である。敷地はやや北側に傾斜した斜面地にあり、南東角には高さ10mを越える雄大なケヤキが立ち、敷地の北東方向には植物公園の森が眺められる。近隣の家からプライバシーを守りつつ、ケヤキの大樹と植物公園の眺めを取り込むことを検討するうちに、1枚の絨毯がくるりと巻いてご家族の生活空間を包み込み、庭を形づくるような家の原型をにたどり着いた。打合せの中で、それまで別々にお暮らしになっていた二世帯のご関係がよく見えてきて、世帯を階によって分ける方針となったが、バスコートやサービスコート、デッキテラス、光の降り注ぐエントランスゾーンなど外部、半外部的な空間を挿入して、自然の光と風を通じて二つの世帯がつながりをもてるように考えた。光が上階から降ってくる共有のエントランスはモルタルの土間仕上げとして、「家の中の外」のような空間に仕立てている。ここではちょっと座れる場所などを設けて、二世帯が普段から出会い、コミュニケーションをとる場所として考えられている。その南側には二世帯共有のアトリエと和室が配置されている。 南北に細長い建物の中に外部的あるいは半外部的な空間が挿入され、分節される形状のため、構造的にも工夫をしている。分節された在来木造の4つの箱を、鉄骨梁やそれ自体構造材となるLVL床(針葉樹複層板、厚さ10cm)で結び、鉄筋を用いて互いに緊結する 方法を用いて耐震性を高めつつ気持ちの良い空間の一体感を獲得している。 将来的にも代々受け継がれ、永く愛される家となるような、おおらかな包容力をもつ家となったように思う。この家から様々な物語や情景が紡がれることを設計者は心より楽しみにしている。
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■建築概要: 区域区分 :市街化区域 用途地域 :第一種低層住居専用地域 建ぺい率 :40% 容積率 :80% 敷地面積 :288.36m2(87,2坪) 建築面積 :107.88m2(32.6坪) 延床面積 :206.90m2(62.6坪) 規模・構造 :地上2階・木造、一部鉄骨造 建物高さ :6.996m
■設計期間:2005年4月〜2006年4月 施工期間:2006年5月〜2006年10月